2006年07月23日

egword Universal

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 エルゴソフトから、「egword Universal」の体験版が公開されました。今回のバージョンアップではソフトウェアそのものをほぼ1から書き直し、ユニバーサル・バイナリとしたことが最大の特徴です。
 今までのEGWORDはMac OS 9時代からのコードが多分に含まれており、使用しているフレームワークはCarbonでした。今回のUniversalではこれをCocoaで書き直し、機能を整理することで速度の向上を図ったのだそうです。
 勘違いされている方もいるようなので書いておきますが、Carbonフレームワークは決してCocoaフレームワークに劣るものではありません。たしかにCocoaにあってCarbonにない機能というのも存在はしますが、逆もまた然り、CarbonにあってCocoaにない機能というのも存在します。Tiger以前のQuickTimeはその代表的なものでして、TigerからはQuickTime Kitが用意されてCocoaからもQuickTimeを扱うことができるようになりましたが、PantherまではCarbonを使うしかQuickTimeをフルに利用する手段はありませんでした。そもそもCocoaフレームワークにせよCarbonフレームワークにせよ、その主要な機能を司る「Foundation」は、より下位にあるC言語で書かれたフレームワーク「Core Foundation」を呼び出す設計になっており、実質CocoaとCarbonの違いは開発言語にObjective-Cを使うか、C++を使うかというくらいのものになっています。
 さて今回の「egword Universal」、全面的に書き直されたというだけのことはあり、動作速度はかなり高速化されています。EGWORD14までには存在しなかったライブスクロールが実装され、文字入力中に動作が引っ掛かることもありません。EGWORD14までは全体的に「もっさり」したソフトだったのですが、Universalはかなり軽快な動作が可能になっています。
 ただしその分、捨てたものがあるのも事実。軽快になった分だけ機能はそぎ落とされ、「高機能重装備」という現代のワープロとは逆行した設計になっている感じです。例えばWordや一太郎など代表的なワープロソフトでは高機能化、重装備化が進み「これがワープロソフトか」と言いたくなるほど多彩な機能がありますが、Universalはかなりシンプルな構成になっています。私自身もソフトウェアの高機能化・重装備化には否定的でして、用途と対象ユーザーを絞り込み機能を特化させるこの手法は評価できるものになっています。
 具体的には今回の「egword Universal」、どうやら「ビジネス文書作成」に特化した内容になっているようで、「ワープロで文章を書き、ワープロでレイアウトし、ワープロで印刷する」ということをかなり意識した作りになっています。前バージョンと比較してレイアウト機能は強化されていますし、慣れるには多少の時間が必要になるかもしれませんが、ビジネス文書作成の用途にはかなり強力なツールとなったことは間違いないでしょう。
 ただ個人的に痛かったのは、アウトラインモードでのルーラー表示の機能がなくなり、行番号表示もなくなってしまったこと。この文字数ルーラーと行番号を備えたアウトラインプロセッサは私の知る限りではEGWORD14だけだったので、他に代替できるソフトがありません。というのも雑誌原稿というのは「何文字×何行で、それをいくつ」という発注をされるものですから、文字数ルーラーと行番号表示の機能は必須なのです。加えてエディタモードがなくなってしまったことで、egword Universalでは完全にページベースの文章作成に移行してしまいました。
 ページベースとはすなわち、「ページ設定」で指定した用紙サイズに沿った文章作成のことです。テキストエディタにはこの「ページ」の概念がないことが多いですが、ワープロソフトには必ず「ページ」の概念があり、テキストエディタとワープロソフトの最大の違いはここにあるといってもいいでしょう。最近ではページの概念を取り入れたテキストエディタというものもありますが、それはまた特殊な例です。
 印刷媒体の雑誌というとページを意識するものと思われがちですが、実際のところライターにとってはそうでもありません。個々の文章は「カコミ」で分けられていますし、その「カコミ」ごとに原稿を書いていきますから、むしろページの概念は執筆の際には邪魔になってしまうのです。特に行数を見る際にページをまたいでしまうと行番号がリセットされてしまうので、改ページなどを挿入して数え直してやる必要もあり、この辺も原稿を書く際にエディタを愛用するライターが多い理由でもあるのでしょう。
 というわけで今回のegword Universal、結論は「仕事には使えない」ということになってしまいました。遅いEGWORD14をこのまま使い続けるか、それとも全く別の環境へ移行するか、悩ましいところです。
 ところでこのアイコン、何を表現しているのかと思ったら、「こちらを向いた万年筆のペン先」なんですね。わかりにくいよ!


Posted by takchabo at 03:45│Comments(0)TrackBack(0)Computer/Mac

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